書類選考における課題の傾向と対策

書類選考における課題の傾向と対策についてまとめます。
2024.06.26

こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

採用活動は常に完璧とは限りません。また、ある時期に完璧に見えていたとしても内外の環境が変化するため、完璧な状態を保てるとは限りません。そのため、継続的な改善が必要となります。

この記事では、書類選考における課題の傾向と対策についてまとめます。

書類選考とは?

書類選考採用プロセスの初期段階で、応募者の提出書類(履歴書、職務経歴書など)をもとに、企業が候補者を絞り込むプロセスです。自社の応募基準と照らし合わせて条件を満たしているかどうか確認するフェーズのことを「スクリーニング」と呼びますが、書類選考はスクリーニング方法の典型例です。

広義の書類選考

「スカウト系の採用媒体で候補者データベースに登録されている候補者のプロフィールを確認し、スカウトするかどうかを選んでいる状態」は書類選考ではありませんが、実際に確認する観点やスカウト対象を選定している状態は書類選考に近い部分があります。そのため、この段階では選考をしているわけではありませんが、活動が持つ意味合い的には「広義の書類選考」と捉えることができます。

書類選考の課題

書類選考の典型的な課題には以下のようなものがあります。

評価基準の一貫性

書類選考を担当する複数の担当者の間で評価基準に対する認識が統一されていない場合、候補者の評価に偏りがでる可能性があります。この問題が発生している場合、「書類選考の担当者ごとの書類選考通過率に波がある」「1次選考の担当者が選考のために書類を確認したら、書類の段階で不採用になりそうな人が混ざっていた」などの影響が見つかることがありえます。

評価基準の漏れ

書類選考の対象となる求人の責任者と書類選考を実施する担当が別々の部門や職種だった場合、求人の責任者から書類選考の担当者に選考の観点が十分に伝わっていない場合、必要な基準が漏れる可能性があります。また、選考基準は変化することもあるため、一定期間ごとに関係者で変化の認識合わせをする必要がありますが、責任者と担当者の距離が遠いと変化への適応が漏れやすくなります。

疲労による質のブレ

書類選考は選考の初期フェーズのため、量が多くなりがちです。そのうえで書類を選考するのは人間であるため、書類選考を繰り返すうちに疲労が蓄積し、同じ質で選考を継続するのが難しい場合がありえます。

書類選考の課題への対策

書類選考の典型的な課題への対策には以下のようなものがあります。

評価基準の一貫性への対策

書類選考の評価基準に一貫性を持たせるためには、以下のような活動が有効です。
  1. 求人票の必須要件や求める人物像の明確化
    1. 求人票に記載する必須要件や求める人物像を具体的に定義します。これにより、選考基準が明確になり、一貫した評価が可能になります
  2. 具体的なフィルタ条件の設定
    1. 求人票に基づき、具体的なフィルタ条件を設定します。例えば、特定の資格の有無、一定の経験年数、特定のスキルセットなどを明確にします
  3. 評価基準の明文化
    1. 書類選考の評価基準を文書化し、選考担当者全員で共有します。これにより、評価基準の統一が図れます
  4. 繰り返しのフィードバックと改善
    1. 書類選考を繰り返す中で、評価基準が適切かどうかを定期的に見直し、改善点を反映します。選考後のフィードバックを通じて、漏れていた観点を特定し、基準に追加していきます
  5. トレーニングと教育
    1. 選考担当者に対して評価基準の理解と適用方法についてのトレーニングを行います。これにより、評価の一貫性と公平性を高めることができます。
これらの取り組みにより、書類選考の評価基準を統一し、効率的かつ公平な選考プロセスを構築することができます。

評価基準の漏れへの対策

評価基準が漏れるケースへの対策は「評価基準の一貫性への対策」の「繰り返しのフィードバックと改善」にあたります。継続的に改善を繰り返すことで漏れていた部分に気づき、基準に反映することができます。

疲労への対策

疲労への対策は「評価基準の一貫性への対策」の「評価基準の明文化」にあたります。基準が明文化されていることによって、都度脳のキャパシティや調子の善し悪しにとらわれる比率が下がります。疲労自体は完璧に防ぐことはできませんが、この方法でマイナスの影響を軽減することができます。

まとめ

書類選考における課題の傾向と対策についてまとめました。

書類選考は取り扱う量が多いだけに、対策の効果も大きくなりやすい面があります。組織の規模が小さいうちはここまでしなくても問題が発生しにくかったり、いざ問題が発生しても関係者同士がすぐに会話できる範囲になるためにすぐ解決しやすい面があります。逆に組織の規模が一定以上大きくなってきた場合、対策に記したような内容が必要になってくるでしょう。

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