経験学習 – 能動的実験

2024.05.17

こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

仕事においてステップアップをしていくためには新しい知識やスキルを身に着けていく必要があります。そして、新しい知識やスキルを習得する最善の方法は実践を通して経験をすることです。

個人が経験を通して学習するサイクルについて「コルブの経験学習」の概念があります。

今回、コルブの経験学習における「能動的実験」について掘り下げます。

能動的実験とは?

能動的実験(Active Experimentation)とは、内省的省察や抽象的概念化を経て得られた新しい知識や洞察を実際の行動に移し、新しい経験を試みる段階です。

能動的実験のプロセス

能動的実験は以下のような抽象的概念化を終えた後に以下のようなプロセスで実施します。

能動的実験の例

抽象的概念化の記事で紹介した例を元に考えます。

開発者であるAさんがSQL(Structured Query Language)についてマーケターのBさんに伝えていたが、BさんはSQL(Sales Qualified Lead)と勘違いしてしまっていた、というコミュニケーションミスがあったとします。

この経験を元にAさんは「自分の専門領域の用語は相手に伝わるとは限らない。相手との専門領域の違いを意識し、相手に合わせた伝え方が必要である」という概念として自分のノウハウにします。

ここで出来たノウハウを実際に活用します。次に専門領域が異なる人と話すタイミングで、相手に合わせた伝え方をします。例えば、開発者以外の人に「デグレを防ぐ対応が必要」ということについて話す必要があったとします。開発者が相手であれば、そのままの内容で伝わりますが、開発者以外の人に伝える場合は、デグレとは言わずに「新しい変更や機能追加が原因で、以前正常に動作していた部分が不具合を起こしたり、性能が低下したりすることがあります。これを回避するための対応が必要です」というような伝え方をします。

まとめ

コルブの経験学習における「能動的実験」について掘り下げました。

閃いたノウハウは実際に使ってみなければ本当に有効かわかりません。自ら実験の機会を作り、できるだけ経験から間隔を開けすぎないタイミングで能動的に実験してみましょう。

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